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家庭果樹の剪定と施肥

家庭果樹とは、果樹園で栽培される果樹ではなく、果実のなる庭木もしくは鉢植えの樹のことです。近年、家庭果樹の栽培は年を追って盛んになっており、果物店では求められない完熟プラムや日除け棚に仕立てたキウイなど、四季を通して鑑賞・賞味する楽しさが喜ばれています。

家庭果樹の種類

家庭果樹は大別すると温帯果樹である落葉果樹と常緑果樹及び熱帯果樹に分けられます。

高木生 つる生 低木生
落葉果樹 リンゴ、カキ キウイ、ブドウ フサスグリ、ラズベリー
常緑果樹 ウンシュウミカン、ビワ ムベ、ツルグミ キンカン、ハナユ
熱帯果樹 パパイヤ、レイシ パッションフルーツ ドワーフバナナ、パイナップル

樹形づくり

  • 小柄な樹に仕立てる(矮性タイプの品種が育成されています)。
  • 美しい樹形にする。
  • 毎年よく果実がつくように仕立てる。

庭植えの樹形

主幹形仕立て 一本の幹(主幹)があり周囲に枝が出て実が着き、小柄な樹になりやすい。
杯状仕立て 主枝を杯状に整枝し、枝の内部まで日あたりを良くする。
半円形仕立て 円を半分に切った形をもとに主枝を左右に出し、小判形に仕立てる。
U字形仕立て 主枝2本のU字形や4本主枝に仕立てる。
垣根仕立て 垣根に1〜2段主枝を左右に整枝する。
棒仕立て 太めの柱やポールに主枝を巻きつける。
棚仕立て 日除けを兼ねた棚の上などに整枝する。
株仕立て 株状になる種類の仕立て方。

鉢植えの樹形

模様木仕立て 盆栽の模様木に準じて、主幹の曲がりや枝張りなどの幹模様も楽しめる。
ホウキ仕立て 竹ぼうきを逆さまに立てたような樹形で、枝が細く、枝数が多い種類に適する。
スタンダード仕立て 傘状の電気スタンドに似た樹形で、小果を仕立てると美しい鉢物になる。
株仕立て 株状になる種類では自然にできあがる。

鉢の大きさ

小果類は5〜6号、大果類は7〜8号鉢(10号鉢が限度)

剪定の方法

間引き剪定 枝分かれした枝を、分かれた基部から切る剪定方法。
切り詰め剪定 枝先から長短に切り詰める剪定方法。

施肥

施肥量は、果樹の種類や土の状態などによって一概には決めにくいですが、若木のうちは幹や枝をつくる窒素(N)、10年以上の成木の場合は果実をつくるカリ(K)、リン酸(P)の3要素のバランスを考えて施します。

庭植えの施肥量の目安【1本あたりの施肥量(単位g)】

樹齢 多くの種類 ミカン類 小果実
3年生まで N−50
P−20
K−50
N−80
P−50
K−50
N−10
P−10
K−10
4〜9年生 N−100
P−25
K−100
N−200
P−150
K−100
N−20
P−20
K−20
10年生以上 N−200
P−200
K−200
N−350
P−250
K−250
N−20
P−20
K−20

※N:窒素 P:リン酸 K:カリ

人気樹種の選定方法・仕立て方

ウメ

ウメの剪定方法 ウメの花芽は短枝に付きます。勢いよく伸びた徒長枝には花芽をつけないので、木の懐から伸びた徒長枝はつけ根から切り落としますが、樹形は別にして数多く開花させるのであれば、左図のように枝の途中から5〜6芽残して剪定すると、結果的には短枝が作られるので、このような枝にも開花させることができます。

キウイ

キウイの剪定方法

キウイは、今年になって伸びてきた枝に開花、結実します。そして、結実した節には翌年は実がならないので、3〜4芽を残して切り詰めます。結果した側枝は3年ほどで新しい枝に更新して、長く旧い枝にしないようにします。

剪定の際の注意点として、キウイの枝は中心部の髄が大きく柔らかいために乾きやすいので、芽と芽の中間で鋏むようにします。

イチジク

イチジクの剪定方法

イチジクには6〜7月に熟する夏果品種、8月以降に熟する秋果品種があります。

夏果品種は2年枝の先端に結実します。しかし、結実する時期が梅雨期に重なるため腐りやすいので、秋果品種又は夏・秋兼用品種を選んだほうがよいでしょう。

剪定は2〜3月の休眠中に、着果した枝の基部に2芽残す切り詰め剪定を行います。

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